ミシガン大学数学客員研究員、米国AT&Tベル研究所科学コンサルタント(非常勤)、日本医大助教授、東京理科大学教授、文部省教育課程審議会委員、科学技術庁参与などを歴任。現在、理学博士、数学者、東京理科大学総合教育機構理数教育研究センター所長。
“数学界の異端児”とも称され、マスコミなどで大活躍する異色の数学者。離散数学の旗手として海外の多数の教壇にも立つ。不可能を可能に、無から有を創り出す挑戦の日々をモットーに幅広い分野で活躍。
面白く工夫された教材を用い、数学の楽しさを分かりやすく説く。子どもだけでなく、大人も納得し、楽しめる内容と各地で好評を得ている。独特の口調で語る熱いメッセージは、聴講者の心に響く。著書は『知性の織りなす数学美』『証明の展覧会I.II』『数学は生きている』『秋山仁の放課後無宿』ほか多数。趣味はアコーディオン演奏。

 体験型教育と聞いて、私の頭に浮かぶのは宮沢賢治の行った教育です。宮沢賢治は1921年(大正10年)から5年間、花巻の農学校で教員をしていた。賢治がそこで行った教育は情操的にも、精神的にも豊かで生徒の心を希望と喜びでいっぱいに満たす真の人間教育であった。賢治は「私の授業は頭で覚えるのではなく、身体全体に染み込ませて覚えてください」と言っていました。彼は生徒をよく外に連れ出して実習させたり、墓地で肝試しやスイカ泥棒ごっこを企画したり、演劇づくりやディベート大会を催したり、生徒の心に深く刻まれたに違いない体験授業をしたそうです。生徒と一体となって知・感・ユーモアを楽しむ賢治先生に、生徒たちは大いに感受性を刺激され、表現力、思考力が啓発されていったに違いありません。
 今回立ち上げる体験型科学教育研究所(通称リアルサイエンス研究所)は賢治のような体験型の教育を日本中に広げることを目標としている。考えることを楽しみ、挑戦することに興奮し、人と人を結びつけることの出来る人材を育てる教育を創り上げ拡げていく、これこそが我々が今真っ先に取り組むべきことなのです。

 NPO法人体験型科学教育研究所(通称リアルサイエンス)では教師から与えられた知識を暗記し、与えられた課題をこなしていくような教育ではなく、教師と生徒が互いに響きあい、心を通わせながら体験や学びを共有していく教育への変革を進めていきたいと思っています。そのためには生徒の学びのスタイルを変えていくとともに、生徒の学びに寄り添える教師を育成しなければなりません。そこで、生徒が主体的に動き出す体験型教育を実現するために、リアルサイエンスマイスターの養成講座を開設しました。
 詰め込み型の知識ではなく学びのプロセスを重視し、チームワークを育てることができ、自身もまた、豊かな人間関係力をベースに明るく、前向きな生き方をしている人。私たちは、そうした人材を「リアルサイエンスマイスター」と位置付け、これからの科学教育の担い手として育成していきます。
 是非この機会に、リアルサイエンスマイスター養成講座にご参加をいただきたくご案内申し上げます。