2012/8/2(木)-3(金)朝小リアルサイエンスサマースクール

昨年に引き続きミステリーフェスティバルを開催しました。今年もひっきりなしに人が入って1日約600人の子どもたちが謎解きに挑戦しました。

(くまさんミステリーの解答


 

『からくりおもちゃを作ろう!』は東芝科学館、東京理科大近代科学資料館に引き続きサマースクールでも登場です。
㈱東芝の創業者の一人、からくり儀右衛門こと田中久重を範として試行錯誤しながらクルクル回るからくりおもちゃを作ってもらいました。
また、東芝科学館からからくり人形も出演してもらいました。写真はからくりのゼンマイの仕組みを説明しているところです。
保護者の方も熱心に説明を聴いていました。


 

サマースクール2日目にはリアルサイエンスの理事長の秋山仁先生の講演会でした。

今も数学の定理を求めて論文を発表している先生の講演は毎回同じタイトルですが新しい定理が入っていたり常にバージョンアップしています。今年のメインは三角を切って、切った図形が一直線に繋がるように頂点を糸で繋げます。それぞれ繋げたところを中心に回転させると三角形だったものが四角形や六角形に変身するというものでした。
なかなか説明が難しいので、後日画像をアップしたいと思います。

 

同じく2日目にはリアルサイエンスの理事であり、前静岡科学館る・く・る館長の増田先生による「空気の秘密大科学実験」も開催されました。大気圧の力や空気の重さを体験できるワークショップでした。写真は空気の力でボーリングの球を持ち上げているところです。
重たいボーリングの球が持ち上がっていく(掃除機に吸い寄せられていく)様子に子どもたちもびっくりでした。


 

今年は秋山先生の教具も展示させていただきました。
円や球の表面積、体積の公式がどうしてその様な式になっているのか分るような展示や自然の力を使った最短ネットワーク、定幅車輪など10点ほどの展示でしたが会場は満員でした。
写真は御殿場の中学校でご活躍のマイスター横溝先生です。

 

サイエンスサバイバルでは、体を使って長さを測る『ボディメジャー』、においを嗅ぎ分ける『においのソムリエ』、鏡を見ながら迷路を解く『あべこべミラー』、プリズムのついたゴーグルをつけてボールを投げる『ミステリーシュート』などに子ども達がチャレンジしました。


 


 


 

また別室では、アイマスクなどで目を塞いで、音が聞こえた方向を指すというテストも行われました。


 

今回、なるべく来場者の方に楽しんでもらおうと『当日参加OK 』のブースを増やしました。
その分人手もかかり大変でしたが毎度のことですが、ボランティアの方々に支えられ無事終了することができました。
ありがとうございました。

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くまさんのミステリー

「ほんとうの」話

暑い中、サマースクールにお越し頂き、ありがとうございました!

ミステリーフェスティバルの「ほんとうの」お話をみなさんにお知らせします。

推理があたった人も、あたらなかった人も、フェスティバルを通じて「科学的な方法で考えてみる」「科学のおもしろさに触れること」を体験して頂けたのなら、ミステリーフェスティバルの謎はとけたも同然です。

またリアルサイエンスの楽しいワークショップで、みなさんに会えるのを楽しみにしています!

 

 

「お母さん、クッキーをもっていってもいい?」
ノブは赤いTシャツを着ながら、2階に向かって大きな声を上げました。
「どこに行くの?」お母さんが2階の洗面所のドアの向こうから聞きます。
「ぬいぐるみ冒険クラブだよ、忘れちゃったの?今日はクラブハウスをつくるんだよ。」
「ああ、そうだったわね。ごめんね、忘れてたわ。もちろん持っていっていいわよ。台所の袋の中にあるわ。飲み物も持っていきなさいよ。今日は暑くなりそうだから。あなたとくまさんの水着ももっていけば?」
「水着はいいや。今日は泳ぎたくないし。」
「そうなの。じゃあ夕ごはんまでには戻ってくるのよ。」
「わかってるよ。」

ノブはクッキーとコーラ、くまさんをつかんで外へ走り出しました。そのとき、カップと氷を持っていくことを思いつきました。ノブが台所を探すと、プラスチックのカップが1つだけあったので、それを手に取りました。冷凍庫をみましたが、氷は1つもありませんでした。ノブのお母さんは科学者で発明家です。ノブは庭にあるお母さんの実験室に冷凍庫がもう1つあるのを知っていました。一人でそこへ入るのはよくないと思いましたが、どうしても氷が欲しかったので、氷が入ったお皿(製氷皿)ごと取り出しました。ノブはお母さんが新しいすいみん薬を使った実験をしていて、氷のなかにすいみん薬を入れていることを知りませんでした。

 

ノブは友達に会い、涼しい場所におやつを並べて、みんなでクラブハウスをつくり始めました。その日は暑かったので、みんなはすぐにつかれてしまいました。みんなは日陰に座って、次に何をするかでもめ始めました。ノブは石けりをしたかったのですが、みんなはそうではありませんでした。


「もめるのはちょっとやめて、コーラを飲んで頭を冷やそうよ。」とレオがいいました。

「カップが1つしかないから、氷が欲しい人はこのカップで飲もう。」とノブが言いました。


「ぼくはいいや。缶で飲むから。」とユウはいいました。

 

 

「わたしも。」とマキがいいました。

 

 

ノブは溶け始めた氷をカップに入れて、コーラを注ぎました。ノブ、カズ、レオはそのカップに入ったコーラを順番に飲みました。飲んでいる間に、3人の指紋がカップのあちこちにつきました。ユウとマキはそれぞれ自分のコーラを缶で飲みました。2人はカップに触っていないので、カップに指紋はついていません。

「みんな、ぼく眠くなってきたよ。」とノブは大あくびをしながらいいました。
「ぼくもだよ。」とレオがいいました。


「ほんと。わたしも少しお昼寝したいわ。わたし…………グー、グー、グー……。」カズは話し終わらないうちに、嵐のようないびきをかきました。

 

 

ノブとレオも眠ってしまいました。
「気持ち悪いな。」とユウは言いました。
「ぼくは全然眠くないけれど。」
「わたしもよ。」とマキがいいました。

「ちょっといいこと思いついちゃった。みんなが寝てる間に遊びにいこうよ。ぬいぐるみを持って。」
「そりゃいいや。」ユウは言いました。「くまさんも持っていこう。ノブはくまさんと遊ばせてくれたことがないし。泳ぎにいこうよ!」

「わたしは泳ぎたくない。」とマキがいいました。
「わたしは原っぱで遊びたい。」
「まず泳いでから、それから原っぱで遊ぶのはどう?」
「いいわよ。でも家にもどってピコも連れてくる。ここで待ってて。」
「楽しみ。」とユウはいいました。

ユウがくまさんに手を伸ばすと、茶色のペンがポケットから落ちてしまいました。ふたがしっかり閉まっていなかったので、茶色のインクがペーパータオルについてしまいました。ユウはペンを拾って、ふたをしっかり閉めてポケットに戻しました。

そのときマキが子犬のピコを連れて戻ってきました。ピコはほかの子どもたちをみると大喜びしてマキをグイグイと引っ張りました。ひもを引きずりながら、子犬は寝ている子どもたちのところへ駆け寄り、顔をなめて、みんなの顔をよだれだらけにしました。ピコが顔をぺろぺろとなめても、カズ、ノブ、レオの3人は目を覚ましませんでした。

 

「ユウ!ひもをつかまて!」とマキがいいました。
ユウもさけび返しました。「つかまえようとしてるんだけど!」。

そのとき、子犬が絵の具の中に足をつっこんでしまいました。子犬をつかまえようとしていると、ユウの右足も絵の具の缶に入ってしまいました。マキは両足を絵の具に入れました。ユウとマキと子犬は、絵の具でそこら中に足跡をつけました。子犬はゲームをしていると思っていて、ユウの白い木綿のセーターにかみついて遊んでいました。

「ピコ、かむなよ。セーターがやぶけてるじゃないか。」とユウはいいました。子犬はようやく離れましたが、糸がちぎれて地面に落ちていました。
「つかまえた!」とマキはいいました。

「いこう!」
「いいよ。くまさんも取ってきたよ。」とユウはいいました。

2人は、まずビーチへ行きました。ぬいぐるみを砂のうえに置いて、ピコとくまさんと一緒に、波うちぎわで遊びました。

そのあと、近くの原っぱで遊びました。くまさんがかわき始めると、毛の中に小さな塩の結晶ができました。

「みんなが目をさます前に戻ったほうがいいわ。」とマキがいいました。戻る途中で、2人はマキの家によって、子犬を戻しました。ほかのみんながまだ寝ているところに戻り、2人はパイを食べました。パイ皿の上にパイの白い粉がついていて、パイを食べている間に、くまさんの上にそれがばらばらと落ちてしまいました。

マキの香水はビーチで洗い流されてしまったので、マキは香水をつけなおしました。その時に香水が少しくまさんにつきました。

「急いで!みんなが目をさまし始めたみたい。」とユウがささやきました。
「ぼくたちも眠っているふりをしよう!」
マキはくまさんをもとの場所に戻しました。マキは、自分たちがくまさんを借りていったことにノブが気づくんじゃないかと心配で、ユウが1人でくまさんを借りたことにみせかけようと決めました。そして、フェルトペンで紙に「ユウ」の名前を反対向きに書いて、その紙をほかのみんなが見える場所に置いて、眠ったふりをしました。

ほかのみんなが目をさますと、ノブはとても驚いてしましました。くまさんが濡れていたからだけではありません。誰かが自分にだまってくまさんを借りていったことでイヤな気持ちになったのです。

みんなはいろいろと自分たちで調べて、ユウがくまさんを持ち出したと判断しました。けれども、犬の足あとがそこらじゅうについている理由はわかりませんでした。

マキは、悪いことをした、という気持ちになりました。これは自分のせいでもあるからです。
「みんな」とマキはいいました。「わたしも一緒だったの。ノブほんとうにごめんなさい。わたしとユウがくまさんを借りたの。おわびにわたしのぬいぐるみを1週間かしてあげるというのはどう?」
「ぼくの貸してあげる。」とユウも言いました。「かってにくまさんを持っていって、本当にごめんね。」

ノブはだまっていました。みんなはノブが泣き出すか、怒り出すかするんじゃないかと心配していました。するとノブは「ぼくがいいっていっていないのに、勝手にくまさんをもっていったから、傷ついた。でも、貸して、って言われた時に、もっと貸してあげればよかったんだね。2人がぼくにほんとうのことを話してくれて、謝ってくれてうれしいよ。怒ったりしないから、みんなでなかよくクラブハウスをつくろうよ!」と言いました。

みんな、なかよくクラブハウスをつくりました。ぬれたくまさんも、ほかのぬいぐるみと一緒に座っておひさまにあたっていると、すっかり乾いていきました。

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