2015年2月15日:第9回体験型科学教育フォーラム&第3回リアルサイエンス研究大会

第9回体験型科学教育フォーラム&
第3回リアルサイエンス研究大会
無事終了いたしました!

ご参加くださいました方々、
発表・紀要を執筆して下さった先生方、
お手伝いの生徒さん、
会場として教室を貸してくださった中央大学附属中学校・高等学校、
本当にありがとうございました。

びっちりのスケジュールで慌ただしく、
参加者の皆様にとってもかなりハードだったかと思います。
ですがどの発表・授業もとても興味深く、
1つ1つをじっくり掘り下げて聞きたいものばかりでした。

午前中には、井上正康先生の特別講演があり、
その後は、
秋田県由利本荘市出羽中学校の科学部を代表して
佐々木君(内閣総理大臣賞も受賞)の発表もありました。

井上先生の講演は相変わらず、ユーモア溢れる内容でした。
佐々木君の発表は、中学3年生とは思えないくらい
堂々としていて素晴らしい発表でした。

ご参加された方にはアンケートを記入していただきましたが、
それ以外にも全体に対する感想やご意見、ご指摘、
各発表の感想等もありましたら、
事務局までどしどしメールをお送りください。
今後の参考にさせていただきます。

リアルサイエンスの2014年度内の大きなイベントは
残すところあと2つです(タイでのWS、3/29の東芝未来科学館)

これからもリアルサイエンスをどうぞよろしくお願い致します。
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2013年2月2日 第7回体験型科学教育フォーラム

開催日時:2013年2月2日(土)
開催場所:国立オリンピック記念青少年センター

 

 『MAKE DIFFERENCE~「わかる」から「つたえる」への知の革命~』と称して第7回科学教育フォーラムを開催しました。NHK解説主幹の早川信夫さん、リアルサイエンス専務理事の古川和のダブル司会で13時よりスタートしました。

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(左から早川信夫さん、古川和)

 開会式では、東芝 CSR推進室の大森圭介さん、文部科学省 科学技術・学術政策局長の土屋定之さんに来賓あいさつをして頂きました。

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(大森圭介さん)

(土屋定之さん)

次に、静岡大学教授の熊野善介先生に基調講演をして頂きました。

(熊野善介先生)

『誰もがわくわくする理科にするには~日本と海外の理科を比較して~』

科学教育の目的、身につけさせたい学力について学校教育では、一生涯にわたる共通する土台を作る。子どもの言葉や活動を拾い上げ、子どもに寄り添うことが大切である。子どもと言葉のキャッチボールをしながら「伝える力」や「聞いている人の心を読み取る力」を持てるようにし、「分かる」だけでなく「伝える」力を育成することも必要となってくるだろう。また、子どもたちがわくわくするためには、実際に自分の手でやってみることがなければならない。自分で主体的に探究したり作り上げたりする中で、どきどきしたりわくわくする感情が生まれてくる。

アメリカではK-12(日本では幼稚園~高等学校にあたる)の新たな科学教育の枠組みが2012年に発表された。2013年以降次世代の科学教育の基準が作り上げられていくだろう。ここでは理数教育だけではなく、そこに工学と技術・応用科学が組み込まれようとしている。これは、日本がこれから目指していかなければならない方向性と同じだろう。科学技術政策と科学教育政策がリンクする形となっている。

続いて、愛知県東海市 教育長の加藤朝夫さんと、文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官の田代直幸さんのお二人に、体験型理数教育事例発表をして頂きました。

 

(加藤朝夫さん)

加藤朝夫さん

『愛知県東海市がNPOと取り組む体験型理数教育の成果』

市の教育委員会とNPOが取り組む活動は、平成20年から24年度にかけ行われている。教育のモットーは「学・思・行」で、学び考えたことを行ってこその教育だと考えている。この連携によって、小学校での理科の授業は、理科室で行うことが増え、より体験的な内容や考えさせる内容となり、授業の変化が実感できる。体験を意識しながら授業をしている教師の手応えとして、将来への進路先に、専門的な分野を目指す子どもが増えたことなど、少しずつ成果が現れてきているように思う。

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(田代直幸さん)

田代直幸さん

『日本初の理科学力学習状況調査から見えること』

平成24年に理科の学力調査が行われた。設問は知識と応用を区別せず、合わせて問う形だった。内容としては、知識や理解を明らかにする設問と共に、モデルを使って説明できるか、理解したことを実際の状況で活用できるかなどが盛り込まれている。実体験の多い子どもの方が、成績が良いという傾向が現れた。

さらに体験型理数教育の実践として、カリフォルニア大学バークレー校ローレンスホール科学教育研究所 研究員のKimi Hosoumeさん  Jessica Penchosさん、そして東京大学地震研究所 助教(2013年2月現在)の大木聖子さんの三名にお話をして頂きました。

Kimi Hosoumeさん  Jessica Penchosさん

『体験型理科授業FOSSの体験とその評価』

Kimi Hosoume:FOSSの概要についての説明

FOSS(Full Option Science System)は、カリフォルニア大学バークレー校のローレンスホール研究所によって開発された、教育学の研究に基づいて作り上げられたプログラムである。教材は内容ごとに一つのパッケージとなっている。パッケージには実験の道具一式、子どもたち用のノート、教師の指導書、映像教材が含まれる。今ではカリフォルニア州のみならず全米の多くの学校が授業に取り入れ、実践している。

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(Jessica Penchosさん)

Jessica Penchos: FOSSにおける評価のありかたについて、実践例を示しながら説明

「教える」「テストする」「評価する」「次に進む」というこれまでの伝統的な評価方法では、学習途中で子どもたちの課題をつかめないという問題点がある。教師が子どもたちの学びの様子を理解したときには、もう次に進まなくてはならなくなっている。そこで、伝統的な評価を補うために、教師によるこまめな確認を取り入れた。その結果、学習の流れの中で子どもたちの状況によって、授業を変更しながら進めることができるようになったのである。ここで重要視するのが、子どもたちのノートだ。子どもたちは、はじめの考えと学習後の考えの間に学習線(line of learning)を引き、自分の考えを書き分ける。また、書いた考えのオリジナルな部分に下線をつけ加える。このノートは学習の振り返りにつかい、自分の考えをさらに良くすることにつなげ、学びを深める方策としている。その記述内容を教師が見ることで、子どもたちの理解の様子がつかめるのである。

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(学習線line of learning)

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(大木聖子先生)

大木聖子先生

『今、ここで防災教育』

「見えないものを見る」という科学の本質をふまえて、地球の内部構造や地震を正しく理解することは大切なことである。しかし、それだけでは地震災害などの自然災害から身を守るのに、十分ではない。知識や理解だけではない「伝える」ことが大切で、これまでの防災教育では「命を守ること」を生活者の視点に落とし込んでおらず、十分伝えきれているとはいえないのではないか。科学教育による「知識」や「理解」は何が起こっているのか理解し、立ち向かう力になると考えるが、防災教育は「命を守る」ことに直接つながる。現状を把握し、安全策を考えておく防災教育は大切にしたい。

最後に閉会式を行い、その後交流会で情報交換など行いました。

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2013年2月2日:体験型科学教育フォーラム

科学教育フォーラムでは様々な方にご登壇いただきました。
体験型理数教育の実践のところでは地震学者の大木聖子先生にご登壇いただき、体験型防災教育ということでワークショップを交えてお話いただきました。
以下の文章は当日配布する資料集に載せるためにいただいた講演要旨です。大木先生の熱い想いが伝わってきます。
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阪神・淡路大震災が起こった18年前、地震学者になることを誓いました。ところが、私の修めた地震学とその知見を人や社会に伝えることとの間には大きな開きがありました。私は研究室から出て、学校現場に赴き、命の大切さを伝えて児童・生徒の主体的な判断能力を高める活動を行なっています。そうした経験を基に今回のフォーラムでは、簡単な実験を通して地球という生き物の性質を見てみたいと思います。なぜ地震が起こるのか、それは無くすことができないのかの答えがそこにあります。その上で、命を守るために何が必要なのかをご来場の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
知識を得ること、防災意識を高めること、そして防災行動を起こすこと。これらはほとんど関連していません。知識を得て満足していませんか?それでは大切に思う人を守ることはできません。
地震災害の犠牲者をゼロにする。皆さんの協力があれば不可能なことではありません。今、ここで防災教育を始めましょう。
———————————————-
一人でも多くの方に聞いて欲しい内容でした。

 

科学教育フォーラムで基調講演をしていただいたのは、静岡大学教育学部教授の熊野善介先生。
理科教育学などがご専門で、日本の理科の教科書の著者でもあり、アメリカのFOSSなどの理科教育カリキュラムの研究もされている先生です。
静岡市で長年展開している『科学の祭典』や静岡科学館る・く・ると静岡大学との連携で様々な科学者と児童生徒の出会いを創ってきた先生でもあります。
ご自身のそうした経験などを基に日米の理科教育の違いやどうしたらワクワクする授業になるのかをお話いただきました。

今、日本の教育で問題なのは「テストの点数は取れるけれど、その科目が好きではない」という児童生徒が増えていることです。
教科に関わらず、「学ぶことが好き」という子どもを育てるにはどうしたらいいのか?というヒントにもなったのではないでしょうか?

 

科学教育フォーラムとそれに先駆けて実施されるFOSS 体験会では、アメリカからカリフォルニア大学バークレー校ローレンスホール科学教育研究所からKimi Hosoumeさんをお呼びしました。
お名前から分かる通り、日系の方です。教員を経て、ローレンスホール科学教育研究所に移りGEMS という体験型の理科数学プログラムの開発や今回のFOSS (学校向け理科プログラム)の開発に携わり、現在はFOSS の普及を担当されています。
通訳もいますが、いつも私たちのためにゆっくりと、そして分かりやすい言葉で話されていました。英語に自信がない方でも理解できたのではないでしょうか。
当日は同僚のJessica さんと一緒に『科学的に考えること』『体験を学びにつなげること』『それらの評価をどのようにするか(形成的評価、評価規準など)』をお話いただきました。

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体験型科学教育フォーラムの後の交流会での集合写真です。

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2012/3/3(土)-4(日)国際科学教育シンポジウム

Kimi Hosoumeさん

3月3日、4日にリアルサイエンスと大阪大谷大学が共催で米国のカリフォルニア大学ローレンスホール科学教育研究所(LHS)のKimiHosoumeさんを招聘して国際科学教育シンポジウム「幼児期から学齢期に繋げる科学の遊びと学び」を開催しました。

1日目はリアルサイエンスが中心となって学齢期の体験型科学教育をテーマに実施しました。最初に文科省のスポーツ・青少年局青少年課青少年教育官の藤原氏 より『体験型』の教育の逆は何ですか?という問いかけから始まり、『型』というものが今まで教員の中で大切にされていなかった。能や歌舞伎の様に『型』を 見直して体験型の教育を一般化していこうという示唆をいただいた。 次にKimiさんの基調講演でした。LHS で開発したFOSS (Full Option Science System )という教育プログラムの説明を中心にアメリカの体験型の教育や科学教育を通した言語活動、形成的な評価の仕方やノートのとり方についてなど音の実験を通 して参加者と一緒に考えました。

『あかりをつけよう』

講演会の後は小学校理科の単元から3年『あかりをつけよう』4年『もののあたたまり方』6年『大地の変化』の3つのワークショップを実施しました。試行錯 誤の大切さ、あっと驚く実験の仕掛け方、自分たちの身近にある科学をそれぞれのワークショップで体感してもらえたことと思います。
また、ワークショップ終了後は授業研究会を行いそれぞれのワークショップがどの様に進んだのか、何を学んだかなどを話し合いも行いました。

 

 

2日目は大阪大谷大学の教育福祉学部の先生方が中心となって幼児期の科学的な遊びについて幼稚園を使った実践研究の様子などを基にシンポジウムが進んでいきました。

パネルディスカッション

 

午後は文科省初中局教育課程課教科調査官の田代直之氏による指導要領の改善点や特徴について説明があり、Cothronらの提唱しているFour Question Strategy という構成探究型の指導法に基づいた上越教育大学の先生が開発したワークシートなどの紹介や体験の質を深めるための視点などのお話がありました。

右:ジャパンGEMSセンター柴原さんによる「生き物の住処」のワークショップ左:関西GEMSブランチの中川さんによる「浮く沈む」のワークショップ

その後、ジャパンGEMS センターの柴原さんやブランチの中川さんにも協力いただきGEMS(LHSで開発された体験型の理数教育プログラムGreat Explorations in Math and Scienceの略) のPeach(幼児向けのプログラムのシリーズ名)のプログラム紹介を含めて4つのワークショップを開催し、初日同様体験型の教育手法の楽しさを体感してもらいました。

今後も大阪大谷大学と連携して関西圏で体験型科学教育を普及する足がかりをしっかり創っていきたいと思います。

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